人工肛門から出ている便は、わずかです。パウチの貼り替えは週2回、訪問看護師さんが行ってくれます。
しんどいながらも、体を拭いて着替えたり、頭を洗ったり、、、
森川さん(仮名)と相談しながら、訪問看護師さんがケアをしてくれています。
「頭を洗ってもらったらすっきりするしね。今日もお昼からお願いしようと思っているの」
洗髪を楽しみにしています。
高カロリー輸液は行っていませんが、その日の浮腫の程度や脱水の状況を
判断しながら点滴の量を調整します。
先生 「(訪問)看護師さん来てくれる時間まで、点滴少しだけ入れとこうか。
来てくれた時に点滴終了して、髪の毛 洗ってもらったらいいね」
森川さん 「そうして下さい、お願いします、、、先生、、、スイカ🍉食べたらあかんかな?」
先生 「いいよ。食べても。『食べたらあかん』って言ってないやろぅ」
森川さん 「でも、病院の先生からは、止められたしね」
先生 「ここは、家やからね。。。食べたかったら食べていいよ」
森川さん 「ずっと『あかん』って言われてきたから、、、戸惑うわ~」と不安な表情
「桃はいい?」
先生 「いいよ。ジュースにしてもいいし。
飲み込んでしまうのが怖かったら、口に入れて、噛んで出したらいいし。
心配だったら、ガーゼに包んで、ガーゼ越しに噛めばいいよ。」
森川さん 「冷蔵庫の上の棚に、桃🍑があるの。食べてみようかな」
冷蔵庫の上の棚には、教えてもらった通り、桃が一つありました。
ベッドに居ながらも、冷蔵庫の中身は把握しています。さすが、主婦!!
桃の皮をむいて、(訪問バッグに入れていた)ガーゼで絞って、桃のジュースを作りました。
私 「ストローとコップから どっちで飲むのがいいかな?」
森川さん 「コップで飲もうかな」
小さいコップに少しだけ桃のジュースを入れて、介助をします。
ゆっくりと、一口。そして一口。。。飲みました。
森川さん 「ジュースじゃなくて、やっぱり桃の実をそのまま食べたいね」
切った桃を、ガーゼに包んで渡します。
森川さんは、自分で手に持って、ガーゼ越しに噛んでいます。
先生 「おいしいかい?」
森川さん 「やっぱり噛むとおいしい。でも、吐くのが怖いから、今はこれだけでいいわ」
私 「残った桃は、絞ってコップに入れておくね。冷蔵庫の一番上の棚に置きました。
訪問看護師さん来た時にでも、飲ませてもらってね。連絡しておくからね」
食べるために使えるように、ガーゼの予備を自宅に置きました。
ある日、、、
森川さんは、「うどんはあかんよね。ちょっと食べたい気がするけど。吐いたら怖いし」と言います。
続いて、「お父さんのベッドの横の棚に、カップうどんあるでしょ」と。
教えてもらった棚を確認すると、買い置きの『カップうどん』ありました。
(防災用に準備しておいたものです)
「汁は飲んでも大丈夫よ」「麺を食べるなら、少しずつよく噛んで」
「残りは、ご主人に食べてもらってね」と話しました。
病院に入院していれば、口から食べることは止められます。
食べる方法を工夫して、『食べたい』という気持ちを尊重しながら、自宅で過ごします。
「食べる」というほどには、量は入りません。
わずかでも、『食べたいと思うものを、口に入れる』 それが、森川さんの力になっています。
氷、栄養剤のシャーベット、スイカ、みそ汁のお汁、リンゴの擦ったもの、ゼリー
牛乳やコーヒー牛乳、梅ジュース、ピクルス(噛むだけ) など
その日、その時の体調と相談しながら、口に入れています。
「娘の帰国する日が決まったの。それまでは頑張らないとね」と、森川さんが言います。
1週間後の予定です。