和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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家族揃って ③あと二日

「先生と話すと元気がでます。毎日、来てください。お願いします」と、森川さん(仮名)。

訪問看護師さんの朝と夕の訪問の間に、訪問診療に伺っています。

退院して3週間が経ちました。

   

目を閉じている時間が長くなっています。

声をかけると目を開けて、か細い声ですが、しっかりお話してくれます。

「昨夜はね、夜中にトイレに行きたくなって、、、お父さん起こしてね。

ポータブルトイレに移動するのを手伝ってもらったの」と。

ご主人は、ご主人なりに森川さんが少しでも楽になるようにと

頼まれたことをしてくれています。

   

先生は診察を終えて、ベッドの横の座椅子(家具調ポータブルトイレ)に座ります。

森川さん 「、、、待ち遠しいわぁ。先生、、、(娘)帰って来るまで頑張れるかな。。。」

先生   「あと 2日やなぁ。金曜日の晩には帰って来てくれるよ」

私    「だいぶ、首 伸びたね~。首を長くして、、、ていうもんね」

森川さん 「本当にそうね、だいぶ伸びたね(笑)」 十二分に頑張っています。

私    「娘さんに話しておきたいことあるでしょう。娘さんもお母さんと話し

     たいことあると思うよ。、、、頑張ってるの分かりながら、ごめんね。

     ここはあえて『頑張ろね』」

森川さん 「そうね。話しておかないといけないこともあるし、頑張るわ。

     、、、先生、明日も来てくれますか?」

先生   「いつも通り、明日も来るよ。娘さん帰って来たら、ぼくからもちゃんとお話するからね」

森川さん 「お願いします。先生、、、明日も待ってます」と、目を閉じました。

部屋の電灯を消して、小さな声で「また、明日ね」  静かに退室します。

   

2日後、娘さんは予定通り帰国🛬されました。

娘さんが間に合ったことに、『チーム森川』のみんなが安堵します。

先生は訪問して、娘さんにお母さんの今の状態と退院してからの様子をお伝えしました。

ここからです。

母と娘そして父との、家族揃って過ごす大切な時間が始まります。