和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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願いは ひとつ

11月のある日のこと、

とてもいいお天気だったので、熊野古道 中辺路にある『一願寺』に出かけました。

ドライブの好きな○○さんが、家族みんなで『一願寺』さんにお参りに行ったと聞いていたので。。。

 

 

いつ、吐血(口から血を吐くこと)や下血(肛門から多量に血が出ること)を起こしても

おかしくない状態です。

それでも、奥さんも 息子さんご夫婦も、心配しながらも

○○さんの『お参りに行きたい』という気持ちを大切に考えています。

息子さんのワンボックスカーで、後部座席で横になりながらのお出かけでした。

(私たちはハラハラしていました。。)

 

次の日、

○○さんと奥さんが、出かけたときのことを楽しそうに話してくれます。

「一願寺どうでした?」

―「良かったよ...」とにっこり。穏やかな笑顔です。

―「まえに姉が行って、良かったって言っていたのを思い出して、行きたくなったんよ」と教えてくれました。

 

願いは一人一つ。家族みんなが、○○さんの健康をお願いしたんだと、

奥さんが教えてくれました。

 

 

 

私も一願寺に行ってみたくなりました。(https://www.ichiganji.com/)

休日でしたが、お参りの人は私以外誰もいません。

山あいのお寺で、とても静かです。

階段を上がって、お参りをして...

 

拝堂の一番奥におられる『一願地蔵さま』に

からし(鷹の爪)とお酒をお供えして、ひとつだけ願いごとを念じます。

○○さんは、何をお願いしたのかな。。と想像しながら... 

 

境内を歩きます。

拝堂を出ようとしたとき、ふと後ろを振り返ると...

見事な、天井の絵が目に入ります。

奉納されたという60枚もの彫板画は、十三仏と四天王が表現され

その周りを色彩豊かな四季の花々の絵画が囲んでいます。

花々には、さまざまな表情のかわいい小さなお地蔵さまが描かれています。

一つ一つの絵を、ゆっくりと拝観します。

時間の流れがゆっくりです...

かわいいお地蔵さんの愛らしい笑顔が、○○さんの笑顔と重なります。

 

明日、一願寺さんにお参りに行ったことを、○○さんと奥さんに話そうと思います。