和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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家に帰りたいけれど ②一番は。。。

新谷さん(仮名)とも相談し、カンファレンスの翌日に退院することになりました。

新谷さん、長男さん、お嫁さん、、、みなさん 涙、涙です。

退院支援室の看護師さんが、民間の救急車🚑をすぐに手配してくれました。

  

ケアマネージャーさんは、この後すぐに自宅に伺って

これまで使用していたベッドの確認とエアマットの手配、

ヘルパーさんへの連絡などをしてくれました。

    

退院して4日、、、

先生が調整した薬の効果で、癌の痛み、腰痛はありません。便も出ています。

夜も眠れるようになりました。

靴下のゴムがくいこむほど浮腫んでいた足も、細くなってきています。

吐き気も治まり、大好きなアイスクリーム以外にも

お粥、お嫁さんお手製の梅干し、煮麺、イチゴ、ジャガイモ、トマト

ヤクルト、リンゴジュース、みつ豆、マグロ、コロッケ、煮豆

すき焼きのお肉少々とお麩、、、食べています。

入院中は、吐き気でほとんど口にすることもできなかったのに…私たちもびっくりです。

    

自分で描いたという油絵を持って、ひ孫さんも会いに来てくれました。

入賞をとるほどの腕前です。ひ孫さんのサインが入った絵🌻が、壁にかけられています。

 「この絵を見ていたら、気持ちも晴れるよ」

 「あとどれくらい(生きられるのか)を忘れて、日々過ごしてるって、呑気なことやなぁ」

 「いつ、死ぬんかね~」 こんな言葉が出るほど、穏やかだということなのでしょう。

新谷さんが大きな声で笑っています。

   

 先生    「新谷さん、お風呂入るかい?  ここに浴槽持って来てくれて、お風呂も入れるんよ」

 新谷さん  「ほんとう、入りたいねぇ。気持ちいいやろねぇ。。。」

 先生    「ケアマネさんに頼んでおくわなぁ」

ケアマネージャ―さんが、すぐに『訪問入浴サービス』を手配してくれました。

   

『残された時間をどのように過ごしたいのか』 新谷さんの希望が一つずつ叶っていきます。

ある日、『家に帰りたかった一番の理由』を、新谷さんが教えてくれました。

「一番は、お嫁さんに会いたかったんよ~。 二人で話すのが楽しくて☺」と。

 

そう新谷さんが話したことをお嫁さんに伝えると。。。

笑いながら、「二人で話すって、、、お義母さんが9割しゃべってるけどね。私は、聴いてるだけよ」

お嫁さんは、お義母さんの枕元で椅子に座って、よく話を聴いてくれています。

『お嫁さんに聴いてもらえること』は

新谷さんにとっての一番の楽しみであり、不安を和らげてくれるのだと思います。

   

    

そして今日も、『あなたのお悩み相談室』(ラジオ番組仮称)を聴きながら

熱心に批評している新谷さんに、お嫁さんが相づちをうっているのでした。