和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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この夏は、、、🥵

中田さん(仮名)は80代の男性で、肺気腫を患っています。

気胸を患っての入院から廃用症候群となり、歩くこともできない状態でしたが、

リハビリを頑張って無事に退院となりました。

肺気腫の末期状態であり、在宅酸素療法も行っています。

このところ状態が落ち着いているので、今は2週間ごとに

訪問診療に伺っています。

    

ある日、訪問すると

「久しぶりやなぁ。。。この前は先生一人で来たしなぁ」と、ニッコリ。

退院してきたときとは違って、声にも張りがあります。

   

「外、暑くて大変やけど、中田さんは大丈夫?」と尋ねると

「家の中にいるし、大丈夫や!」と中田さん。

大丈夫ではありません。脱水兆候があらわれています。

「頭 痛くない?」 「吐き気はない?」 「ふらつかない?」

答えは全部「ないよぅ」

「リハビリしてもろてるから、終わったら ちょっとしんどいけどな」と。

ベッドの傍には、『アクエリアス®』が置かれています。

「水分は? どれ具合 飲めてるかなぁ。。。」と確認すると

「ビール🍺な、毎日350㎖の缶1本 飲んでるよ」と、返事が返ってきます。

    

遅れて先生が入ってきました。

「先生、元気か? 暑いけど大丈夫か?」

「大丈夫違うで。熱中症になりかけながら、毎日 働いてるよ」と先生。

一目見て

「中田さん、、、脱水ぎみやなぁ、、、」

皮膚を少しつまみます。戻りが悪く、血管も浮き出ています。

奥さんは、「ほとんど水分取らんし、言ってもきかんしねぇ」と教えてくれました。

「点滴しよかぁ。 車に置いてる点滴 取ってくるわぁ」と、先生は部屋を出ていきました。

「点滴ってかぁ」と中田さん。

「ビール🍺は飲めてるけど、他の水分 少ないから 皮膚が乾燥して戻りが悪くなってるんよ。

熱中症で病院に運ばれたり、亡くなっている人もいるからね。

そうなると大変やからね」とお話します。

     

先生が点滴を始めます。

肺が悪いので、点滴の速度にも注意が必要です。

点滴が50㎖程 入ると、皮膚の状態もましになってきました。

「あぁ、、、本当やなぁ。(皮膚の戻り)早なったなぁ。こんなに効くんかぁ。。。」と中田さん。

    

先生は、「『OS-1オーエスワン®』って知ってるかい? 

所さんがコマーシャルしてる熱中症予防の飲み物よ」と話しながら

自分の訪問バッグに入れておいた『OS-1オーエスワン®』を取り出しました。

「口付けてないから、味見するかい?」と、コップに少し入れます。

中田さん、、、一気に飲み干しました。(先生の前なので)

ビールを飲むかのような飲みっぷり。。。

「、、、おいしないけど、、、まあ、飲めるよ」と。

皮膚の状態を観ながら、点滴を終了しました。

   

奥さんが早速、『OS-1オーエスワン®』を買いに行ってくれることになりました。

先生は、訪問看護師さんや理学療法士さんに、今日の状況を伝えて

水分補給を促してもらえるようお願いをしました。

    

猛暑の中、訪問車に戻っては、お茶や『OS-1オーエスワン®』を摂っている先生と私。

それでも、🌞陽ざしの熱さには追いつかず、熱中症気味になっています。

時には、保冷剤で体を冷やしたりしながらの、今年の夏です。

    

9月上旬、、、、

「残暑お見舞い申し上げま~す。 中田さん、調子はどうかな?」と尋ねると

「おう! 今年は、暑かったなあ。大丈夫や。飲んでるぞ。ちょっとだけ多めにな」と

ニッコリ笑顔で教えてくれました。

   

ご自分でも少し意識して、水分を摂ってくれていました。

奥さん、訪問看護師さん、理学療法士さんも

タイミングを見計らって、中田さんに声をかけてくれます。

もしかすると、「点滴はかなわん😓」が、一番なのかもしれませんが。。。

中田さん、、、

熱中症になることなく、この猛暑を乗り切りました。本当に良かったです。