和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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🌴ハワイアン・ミュージック🎶を聴きながら。。。

N病院の外来に通院されている なな子さん(仮名)は、 30代の患者さんです。

乳がんが再発し、肝臓や肺、骨にも転移がありました。  

  

外来を受診した際に医師から入院を勧められましたが、自宅での療養を希望しました。

急遽、患者総合支援センターの看護師さんから連絡がありました。

先生は、その状況から即日 ご主人と連絡をとって、ご自宅へ向かうこととなりました。 

  

「はじめまして」 ベッドに横になっている なな子さん

息が苦しそうで、話すのも辛そうです。頭元には在宅酸素の器械が置かれています。

呼吸の音を聴診器で聴くと、『ギューギュー』 狭窄している音が聴こえます。

「年明けに、風邪をひいてから調子が悪くなって…病院で胸の水も抜いてもらったの」と。

  

先生がご主人に、リビングで今までの治療の状況や経過を確認しています。

私は、その間になな子さんの状態観察を終えて

なな子さんの浮腫んで冷たくなった足を手で温めます。

リンパの流れがよくなるように、関節の裏側も緩めていきます。

「無理に話さなくていいからね。楽にしておいてね」と伝えました。

「・・・あぁ 気持ちいい。神様みたい」

神様なんて・・・手を当てているだけです。それほど『辛かった』のだと感じました。

   

入院を断った理由を尋ねると

「娘(中学生)と一緒に過ごしたかったから。

病院の帰りには『キーノ(和歌山市駅の商業施設)』にも寄って買い物もしたの。

車いす借りれたし、大丈夫だったよ」と笑顔で話してくれます。

びっくりです。

この呼吸の状態からは買い物をしている姿が想像できません。

  

マッサージをしながら、ベッドの足元側を ふと見上げると

鴨居のうえに、結婚式の写真が貼られていました。(なな子さんが寝たままで見える位置に写真はあります)

素敵なお写真です。自然と、ご主人の話になりました。

傍にいたお母さんが、お二人の結婚に至るまでの経過を教えてくれました。

   

家族みんなで病気に向き合っている。

そのことが、ひしひしと伝わってきました。

なな子さんとご主人、お二人と相談して、訪問看護師さんに来てもらえるよう手配しました。

    

数日後 訪問すると、なな子さんは

「訪問看護師さんが来てくれるから安心で、、、」と話してくれました。

「(訪問)看護師さんがね、ハワイの写真🌴(絵ハガキ)持って来てくれてね。

ハワイアン・ミュージック♬をかけてくれて、それを聴きながら、、、

好きな香りのアロマオイルを自分で選んでね。

そのオイルでマッサージしてもらったの。 本当に気持ちよくて。。。」

(マッサージをしている間は、息苦しさもましだったようです)

  

ハワイが大好きな なな子さんのために

わずかな時間でも、ハワイ気分に浸りながらリラックスしてもらえたらという

訪問看護師さんの優しさが伝わってきます。 

  

苦痛が強いときほど、、、

『ちょっとリラックスできる』。。。そんな時間が大切になります。