ある日、久山さん(仮名)のお宅を訪問すると
玄関に真っ赤な薔薇が活けてありました。
「素敵な薔薇…これどうされたの?」と尋ねると
奥さんが「娘婿がね。娘に持って来てくれたんよ」と教えてくれました。
京都で訪問看護師をされている娘さんは、お父さんのために介護休暇をとって実家に戻られていました。
娘さんは照れながら「結婚記念日だったからね」と。
薔薇の花の『本数』に何か意味があるのかとお聞きすると
「21本の赤い薔薇は結婚してからの年数、そして『今年もよろしく』で白い薔薇が1本」
と教えてくれました。
それを、わざわざ届けに来てくれたとのこと。
優しくておしゃれなことをする、粋なご主人・・・
そんな、娘さん夫婦の様子を見て、ご両親はきっと嬉しいに違いありません。
先生は「僕、恥ずかしくて、ようせんなぁ。。。」と言います。
どんな形であれ、感謝の気持ちを伝えてもらえることは嬉しいもんですよね。
覚えていてくれることも
そうやって毎年あたりまえのように、続けてくれていることも…
『有難う』の語源は、「あたりまえに有ることが難しいからこそ、有難う」なのだと
教えてもらったことがあります。
日常的にあたりまえに思えることほど、本当はあたりまえではないということ。
それを行う思いやりや努力、時には我慢がそこにはあるのだと思います。
だからこそ、それができたときやしてもらったときには「ありがとう」と感謝する。
素直に「うれしい」「ありがとう」と伝えることが大切なのだと思います。
思いのこもった真っ赤な薔薇🌹を見ながら、そんなことを考えました。
「娘夫婦が仲良くて、うれしいわ~」と奥さんは話します。
そういう久山さん夫婦も、とても仲良しです。
いつも、ほっこりします。
私が「お父さんとお母さんも とっても仲良しよねぇ」と言うと
すかさず 奥さんが、
「そこに愛はあるんかい?」と、笑いながら返してくれました。
(十分に、愛はありますね!!)