真美さん(仮名)40歳。 直腸癌、転移性卵巣腫瘍があり、腹膜にも転移しています。
在宅中心静脈栄養法(HPN)を行っており、イレウス症状の緩和のために
人工肛門も造設しています。
月曜日、、、髪がずいぶんと伸びてきています。
私 「髪、ずいぶん伸びたねぇ。切りたくない?」
真美さん 「もう、うっとうしくて、、、」
先生 「もともと行っていた美容室でなくてもいいの?」
「福山雅治似の美容師さん、知ってるけどね。
以前に患者さんがお世話になってね。お願いしたら、家まで来てくれると
思うけど、、、どうする?」
真美さん 「お願いしようかな☻」
先生 「一度、連絡してみるわ」
真美さん 「本当に福山さんに似てるの?」
私 「知ってる訪問看護師さん達は、『似てる』って言うね」
真美さん 「楽しみやわぁ」
先生はその日の夕方、その美容師さんに連絡をとりました。
「明日にでも連絡して、打ち合わせに伺います」と、返事をいただきました。
木曜日伺うと、真美さんは髪をカットしてもらい、すっきりしています
真美さん 「火曜日かな、美容師さん打ち合わせに来てくれたんやけど
『カット✂だけなら今からでもできるよ』って。
その日すぐにカットしてくれて、すっきりしたわぁ。。。」
先生 「福山雅治似は、どうだった?」
真美さん 「それがね。マスクしてるし、目元だけじゃ わからんかったぁ。
マスク外してってお願いするのも悪いし。気になって気になって。。。」
「美容師さんは普段は施設とかで、お年寄りの方の髪を切ることが多いんやって。
『若い人は久しぶりで、なんか、緊張する』って美容師さんも言うし。
お互い緊張しながらでね(笑)」
「訪問看護師さんの松本さん(仮名)が、以前 研修で一緒になったことが
あるみたいでね。マスクを外してる時の美容師さんを知ってるって。
福山さんより、男前かもって」
私 「たしかに男前やけど、、、ハードル上がるねぇ(笑)」
先生 「気分転換になって良かったね」
痛みや吐き気があり、気分がすぐれないことも多いのですが
この日、真美さんの表情はいつもより明るかったです。
美容師さんも、在宅療養を支えてくれる『アンサングヒーロー』のお一人です。
急なお願いにすぐに対応していただき、ありがとうございました。