和歌山市内の在宅療養支援診療所

お知らせ
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条件反射

小島さん(仮名)70代の女性です。

何度もトイレ🚽に通うのですが、なかなか便は出ず、すっきりとしません。

 先生  「宮田さんにお腹のマッサージしてもらい⤴。百発百中よ、今のところ」

しばらくの間、小島さんのお腹をマッサージします。

その間に、先生はご主人と話したり、薬の確認を行ったり、、、してくれています。

   

医療用麻薬をつかう人にとって、副作用の一つである『便秘』は大敵なのです。

患者さんの状態に合わせながら、薬を調整しますが、すっきりとしないことも多く

訪問時に、腹部のマッサージをさせてもらうことがあります。

  

一週間後、、、

 小島さん 「先週、マッサージしてもらった後、便が出てすっきりしたの」

 私    「それは、よかったですね」

先生の診察を終えると

小島さんからは、「お腹のマッサージお願いします」とリクエスト。

  

横になっている時間も長く、背中や肩も緊張しているからと

今日は先生が、背中や肩をマッサージしてくれます。

 先生   「マッサージ、、、どう? いくらぐらいの値打ちある?」

 小島さん 「うん、、、3万円くらいかな」

 先生   「え~。そんなに出してくれるの☻」

 私    「そんな値段 出してたら、、、大変なことになるよぅ」

 小島さん 「言うのはただやから(笑)」

冗談を言いながらの時間、、、リラックスもできます。

 ご主人  「先生たち来てくれると、よくしゃべるし、よく笑うなぁ」

 私    「ご主人も娘さんも、いつもマッサージしてくれてるよね。

      夜中でもしてくれてるし、ほんとにありがたいね」

 ご主人  「娘は仕事もあるからね。夜中は僕が足の裏にマッサージガンあてて、、、

      でも、なかなかOKでやんのよ。家内は、僕には厳しいんよ(笑)」

 私    「ご主人にも、たまには優しくしてあげてね」

 先生   「小島さん、ツンデレやんなぁ。。。」

 小島さん 「、、、、、(笑)、、、、、」

そんな会話をしながら、、、先生のマッサージが終わりました。

私が腰やお尻、お腹、足底をマッサージして、本日の訪問診療は終了です。

週一回の訪問時には、必ず 腹部のマッサージを行います。

   

ある日のこと、、、

訪問すると、小島さんはトイレに入っています。

 私    「便を出すのが大事やから、慌てて出てこなくていいからね。ゆっくり待ってるから、大丈夫よ」

2~3分後、小島さんがトイレから出てきました。

 小島さん 「宮田さんが来たって思って、声を聞いたら、便がするっと出たわ」

 私    「ほんとう。。。便 出てよかったね。でも、宮田の声を聞いただけで出るって、、、

      パブロフの条件反射みたいやね」

 小島さん 「いっつも、お腹をマッサージしてくれるでしょ。そしたら、必ず出るんよね。

      今のところ100%やね☻」    便が出て、すっきり! 良かったです。✌

    

「看護の基本と言われる『て・あーて』※1って、すごい」と、日々実感しています。

※1 「て・あーて」:手を用いたケアの総称